YOKOITOブログ

京都にあるものづくりベンチャー株式会社YOKOITOのブログです。最新のFAB機材の利用レビューや活用事例、YOKOITOの活動・実績紹介、イベント情報などを紹介いたします!!

「ものづくりのエンターテイメント化」【関西3Dプリンター研究会第三回 レポートその3】

どうも!YOKOITO広報担当の上森です。

今回は前回に引き続きまして、

先日、YOKOITOのfabスペース「fagora」にて開催されました、
関西3Dプリンター研究会第三回で行われた、
Adachi-Tech代表 足立 正さんのプレゼンの内容をお送りいたします。

足立 正さん

f:id:YOKOITO:20150402014701j:plain

1992年から20年以上もの間、

大手総合電機メーカーにて

主に冷蔵庫の設計や技術開発のお仕事をされ、

現在では海外からの工業製品の輸入販売や、

2015年4月より、新商材の開発支援をする会社Adachi-Techの代表として活動されています。

 

(前回の記事はこちらから)

 

今回は、前回の記事でとりあげました、

足立さんの「ものづくりの未来の姿とfagoraへの提言」、

一般の人々にものづくりの喜びを知ってもらいたい!

このキーワードについて深く掘り下げていきたいと思います。

f:id:YOKOITO:20150415220119p:plain

fagoraを遊びとおもしろグッズのショールームに!

f:id:YOKOITO:20150415220301j:plain

(YOKOITOの運営するfabスペース 「京都のものづくり広場 fagora」)

東京の秋葉原にはDMM.make AKIBAという場所があります。
YOKOITOのメンバーもこのDMM.make内に入居しています。

いろんな工作機械が置いてあったり、いろんな道具がそろっていてプロダクトの開発や生産ができるFABスペースです。

しかし、足立さんはfagoraがDMM.make AKIBAと同じような場所である必要はないと考えています。

確かに高価な素材や、
性能の良い機械を使ってものづくりができるということは魅力的ですが、

fagoraの価値は作る製品の品質ではなく、
ものづくりを”体験”する場所にこそあるのではないでしょうか。
足立さんの考えるものづくりの「おもしろさ」とは、

自分で考えたものを
自分で作って
自分で使う

この一連のプロセスのことだといいます。

足立さんいわく、
「体験」「おもしろさ」を感じることができれば、
「品質」は最優先でなくとも良いはずなのです。

ものづくりをするにあたって、
品質の良いものを目指すのではなく、
そこからちょっとズレた「体験」や「おもしろさ」という
もっとソフトな部分を引き出すことを目指せば、
ある一定の価値を見出すことができるのではないでしょうか。


ものづくりのエンターテイメント化

では、一般の人に向けてものづくりの「おもしろさ」を伝えるに当たって、
具体的にどのようなことをしていけばいいのでしょうか?

そこで足立さんが提案してくださったのが
『ものづくりのエンターテイメント化」。

自分で考える・作る・使うという一連のプロセスを
ステマチックに整理して提供するのです。

考える
DIY事例の発掘」・・・少しだけ考えて

作る
「ものづくりの講習」・・・必ず作れる手順で

使う
「イベントの企画」楽しい経験をする

これらの活動を一般の人々に広げることで、
ものづくりをする人たちの底辺が広がり、
ゆくゆくは最前線でものづくりに関わるプロのクリエイターのレベルも上がるのではないでしょうか。

例えば、
fagoraにDIYの商品をたくさん飾っておいて、
それを見たお客さんがその場ですぐに同じものが作り、
作ったものを使ってすぐ近くの梅小路公園で遊ぶことができる。

fagoraはそんな、
人とものづくりをつなぐ架け橋になれるのではないかと
足立さんは期待を寄せてくださっています。


利用者の声を聞くことの特別さと喜び

f:id:YOKOITO:20150415220604p:plain

さて、少し話題を変えましょう。

足立さんのいらっしゃった会社では一日数千台のレベルで生産しており、
ご家庭に行き渡った際には年間で100万人以上の方が日々お使いになるのだそうです。

これだけたくさんの人々に自分の作った製品を使ってもらうことはとても良いことではあるのですが、
利用者からリアクションを直接得る機会はあまりなかったのだそう。

確かに考えてみれば、
家にある冷蔵庫がどれだけ使い勝手が良くても、
わざわざメーカーに問い合わせて
「ここのこうゆうところがめっちゃ良いです」なんて言ったりしませんよね。

そんな寂しさを感じていた足立さん。

先日、個人的に何気なく作ったイヤホンコードホルダーをSNSにアップしたところ、
大学時代の同期の方から「息子にあげたいから同じものを作ってくれないか」という連絡が来たそうです。

プレゼントされた息子さんは喜んでくれたとのことで、
それを聞いた足立さんもとても嬉しかったそうです。

出来事の大きさとしてはとても小さいかもしれませんが、
足立さんはこれまで23年間ものづくりに携わってきて、
ダイレクトに反応がもらえる喜びをこのとき初めて実感したということでした。

この感覚はものづくりのプロ・アマ問わず、
皆が持っている感覚なのではないでしょうか?

ある一定のクオリティのものが作れたら
貰う人はよろこんでくれるはず。

そのお手伝い、YOKOITOがいたします!

f:id:YOKOITO:20150415220645p:plain

今回の記事は以上です!

次回はプレゼン後の研究会の様子についてレポート致します。

足立正さん、記事作成にご協力頂き誠にありがとうございました!