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YOKOITOブログ

京都にあるものづくりベンチャー株式会社YOKOITOのブログです。最新のFAB機材の利用レビューや活用事例、YOKOITOの活動・実績紹介、イベント情報などを紹介いたします!!

フリーのモデリングソフトでペグボードのフックを作ってみる【DIY】

こんにちは。YOKOITOの髙松です。 ここには初めて記事を書きます。

初回となる今回はフリーのソフトでペグボードに使えるフックのデータを作成したお話をお届けしようと思います。

ペグボードと言われてピンと来ない方はこちらの画像を見てもらえば、「ああ、あれか」と思って頂けると思います。

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いかにもDIYという感じの、ツールを壁に収納しておくアレです。  

今回はYOKOITO自社工房にあるペグボードに合うフックを作ろうと思って製作を始めたのですが、実はペグボードにはいくつか規格があり、インチで穴径と間隔が決められているものと、ミリメートルで作られているものがあります。

国内で入手できるものは大抵ミリメートル規格のものなのですが、その中でも主に2つの規格があり ・直径8mmの穴が30mm間隔で開いているもの ・直径5mmの穴が25mm間隔で開いているもの となっています。自社工房にあったペグボードは8mm穴30mm間隔のものでした。

こうしたペグボード専用の金具も売られていますが、規格が沢山あるためかやたら高いです。数が必要なのに数を揃えると結構な費用になります。

そこで初めは太めの針金を曲げて同じようなフックを作ろうとしましたが、手作業だと寸法を合わせて同じ形のものを作るのが難しい上に、手が痛いです

 

さて

・同じ形のものがある程度の量必要

・寸法がそれなりに合っている必要がある

・様々なものを掛けるために、カスタマイズ性が高いと便利

と来たらまさに3Dプリンターの出番と言えましょう!

今回3Dプリント用データのモデリングに使うフリーのソフトは2つ、まず最初に使うのが、Autodesk社が公開している123D Designです。

 

多くの方が使っていて、あまりにも有名なソフトなので今更説明は不要かもしれませんが、簡単に特徴を挙げると

・操作、機能共にシンプルなCADソフト

・無料で使用することができる

・主にCADの基本を勉強したり、ちょっとしたものをモデリングするのに向いている

といったところでしょうか。複雑なものを作らなければノートPCでも十分動作するので、CADソフトを触ってみたい、という方はまずこちらから始めてみてはどうでしょうか。  

ではモデリングです。

ペグボードのフックはしっかりと固定されている必要があるので、穴の形状にぴったりの円柱を30mm間隔で2つ作って、それをはめ込む形で固定することにしました。

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次にフック部分をスケッチで描きます。これをシンプルに円柱の直径と同じだけ押し出して

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こんな形にしました。

ここでフックのプリント方向について考えます。

FDM式で作ったプリント物は特に積層方向に対して垂直の力に弱いです。 そこで、このフックを寝かせた状態でプリントすることで、一番力のかかる方向に対しての強度を確保します。

けれども寝かせた状態では円柱の下部分にサポート材を付ける必要があり、取り外しても穴にぴったりの形状ではなくなってしまいそうです。

そこでもう一工夫して、このようにフックの両サイドを少し切ります。

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 これで寝かせた状態でサポート材が発生しない形状になり、かつほぼ円形を保っているので穴にぴったり固定される機能を維持しています。

あとは角を少し面取りして完成です。 3Dプリント用のスライスソフト、KISSlicerで読み込んだ画面がこんな感じです。

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 0.25mmくらいの積層ピッチでプリントしても問題なさそうです。加えてプリント時間も短いので、数を作るのにも適しています。

ということでプリントしてみます。今回はPLAでプリントしました。

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 試したところベグボードにぴったりで問題なく使えたので、派生系を作ります。

3D Systems社が販売している399ドルの低価格3Dスキャナー「Sense」で

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 弊社取締役、中島の腕をスキャンします。

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 スキャンで出来上がったデータをOBJ形式で書き出し、Autodesk社が無料で公開しているMeshmixerで読み込みます。

これが、今回使う2つ目の無料モデリングソフトです。

主な特徴は

・無料で使用することができる

STL、OBJなどといった形式のデータファイルに対応している

・データ編集機能で、メッシュの削減(軽量化)や分割、合体だけでなく、Sculptツールを使った彫刻のようなことができる

・3Dプリントにも対応していて、3Dプリント用の独特な形状のサポート材をデータに付けたりもできる。

という非常に多機能なソフトで、私は全部の機能を把握できていません。

さて、スキャンしたままのデータでは若干破綻等があるので、Sculptツールで盛ったり平らにしたりして編集します。筋肉も若干盛っておきます。

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 ここに先ほどのフックを追加で読み込みます。

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 EditメニューからTransformで腕のほうをフックの方向と大きさに合わせ、位置がかぶさるようにします。

本来ならフックそのままではなく土台部分だけで作るべきなのですが、今回は上手いことほぼ腕の中に収まったので、先端の部分だけ同じくEditメニューからPlane Cutでカットしてしまいます。

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 次にまたPlane Cutで、腕の後ろ側のペグボードに干渉する部分をカットします。 この段階ではまだフックと腕のデータは別々なので、2つを選択してEditメニューのCombineから合体させます。

これで書き出して完成です。

足を腕のど真ん中につけたこの形状ではサポート材が出るのは仕方ないので、妥協することにして同じように寝かせてプリント。

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 こんな感じで力持ちの腕ができました!

耐久性も、よほど重いものを掛けなければ十分のようです。

Thingiverseにアップロードしておいたので、身近にペグボードがある方はダウンロードしてみてください。

http://www.thingiverse.com/thing:1124431

今回はこんなところでこの記事を終わりにしたいと思います。読んでくださりありがとうございました。

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