楽しく作戦会議してます。【関西3Dプリンター研究会第四回 レポートその2】
どうも!広報担当の上森です。
先日行われた『関西3Dプリンター活用研究会 第四回』の内容をお届けいたします。
今回からカッチリとした”研究会”という形ではなく、
どちらかというと”飲み会”としてゆるーく開催されていくこととなったこの会。
まずは乾杯をして、
早速3Dプリンターのお話が始まったかと思うと、
日本のものづくり全般のお話、
各参加者の方々のお仕事のお話、
そしてまた3Dプリンターのお話に戻る、
といったように、
お酒やおつまみが進むに連れて話題もコロコロと変わってゆきます。
そんな中皆さんが注目したのはこちら、
こちらはFDM方式の3Dプリンター"ATOM"を使って銅フィラメントで出力された、
女性の胸像です。
fagoraにディスプレイしてあったこちらから、
思わぬビジネスのアイデアが飛び出しました。
その前に。そもそも銅フィラメントってどうなの?
こちらの素材は”コッパーフィラメント”。
銅の成分が入った金属フィラメントの一種です。
「金属」と聞くと、
丈夫そうで光沢のあるイメージですが、
あくまでも3Dプリンターに使うための、
銅の成分が入った素材ですから、
これを使えば簡単に金属の製品が作れるというわけではありません。
まずは強度。
プリント物を出力する際、銅自体が不純物となってしまい、
実は普通のPLA樹脂よりも強度は弱くなってしまいます。
その不純物である銅を焼結してしまえば良いのですが、
そうすると3割も縮こまってしまうという可能性が大きいのです。
そして光沢。
この女性の胸像は光沢が出ていますが、
出力したそのままの状態ではこのようなツヤは出ません。
出力が完了した後に、研磨剤で磨くという作業を経てはじめて、
金属らしい光沢が生まれるのです。
なるほど、3Dプリンターは単なる魔法の道具というわけではなく、
きちんと人の手と知識があってこそ役立つ技術なのですね。
3Dプリンターで出る”味”
この会に初回から参加してくださっている、
西陣織の職人さん中村さんが注目してくださったのは、
この緑青。
つまり錆の部分です。
これは研磨剤で磨いたときに、
銅が酸化することで起こる反応で、
このフィラメント独特のものです。
しかしただの錆ではなく、
どことなく”味”を感じさせる風合いです。
と、
ここでぴーんと来てくださったのが、
中村さんと同じく初回からご参加いただいている、
キュウプロダクツの岡村さんです。
「この味は、企業の社長さんの銅像作ったりするっていうのにはちょうどいいよね。」
確かに。
自分の像を作るとなったら、
今まではとても高価なイメージばかりでしたが、
3Dプリンターを使えば、
安くこうした”味”のある銅像が作れます!
そして「社長」「銅像」と言えば、
すでにYOKOITOの社長、大谷が銅像になっておりました。
21歳にして銅像になった男”大谷太郎”です。
さらに中村さんによりますと、
「西陣織で肖像画を織るということをしてはる職人さんもいてはりますよ。」
とのこと!
さらにさらに岡村さん、
「ゴルフ場回って色んな社長さんにプレゼンして回ったら商売になるんちゃうか!」
と具体的な営業のアイデアまで飛び出しました。
これはいよいよビジネス化かっ!
と思われたところで岡村さんが一言、
「でもこれ外国の人やから彫り深くて綺麗な形になってるけど、
日本人をリアルに再現したらまっ平らで自分としてはあんまり嬉しくない銅像になってしまうかもしれへんね」
確かに。
私もまじまじと自分の頭部を見せられたらヘコむかもしれない(笑)
とまあ、そんなこんななお話やアイデアが、
大きいものから小さなものまでぽこぽこと生まれた楽しい会となりました。
やっぱり人間、ちょっと酔っ払っているときの方が頭が柔らかくなりますね!
この”飲み会”・・”研究会”で生まれたアイデアが形になるのも、
そう遠い未来ではなさそうです。
以上、関西3Dプリンター活用研究会 第四回のレポートでした!